2013/04/27

美術館に行ったことあるかな

 美術館に行ったことあるかな。たくさんの絵や彫刻・版画、そしてさまざまな素材(そざい)でつくられた器(うつわ)や道具など、いろんなものが展示(てんじ)してあるところ。なんだか少しむずかしそうだけれども、勇気を出して入ってみないかな。ほんとうはとても、ゆかいで、楽しくて、なんだかわくわくするところなんだ。そこにあるものは必ずだれかがつくったもので、たくさんのことを考えてその素材を手にして、時間をかけて、きみの目の前にあるんだよ。

 たとえば絵を見に行こう。たくさんの絵があるから、ゆっくり見ていくと、いろいろ発見できるよ。まず何が描(えが)かれているのか考えてみる。お花が描かれていたり、山が描かれていたり、こわいおじさんもいるし太ったおばさんもいる。豚や馬や牛だっている。ドクロも描かれているし、おいしそうなリンゴもある。それからなんだかわからない絵がたくさんある。でもここで「わからない」って思ってあきらめてしまったら、美術館での楽しい時間は終わってしまう。わからないことと、つまらないことは、一緒(いっしょ)じゃないんだ。わからないからきみはたくさん考えられるし、いろんな見方を見つけることができる。たとえば、「なぜきみの見た絵はその色でぬられているの? どんなぬり方をしている? いくつの色が使われている? 表面はざらざら、それともすべすべ?」とかいろいろ考えていくと、絵がお話ししてくれるよ。そうなればしめたもの、きみは絵と会話ができる。
 こんなふうに絵とお話ししながら、美術館を散歩していくと、いろんな声が聞こえてくるよ。お母さんやお父さん、お友だちと一緒に美術の森を散歩するのも すてきだね。そう、美術館って、やわらかな風がふく美術の森なんだね。